先月、TVアニメ化で話題の「ゴールデンカムイ」でお馴染みの
アイヌ民族のことも少し出てきます。
そもそも地道にコツコツなどというのが、馬鹿げた考え方なのかも知れない。
そんなものは田舎ものの泥臭い価値観にすぎず、
この人も物も薄れかえっている大都会で生き延びていくには、
かえって要領が悪いだけの不要な感覚に過ぎないのではないだろうか。
(講談社文庫 乃南アサ著「ニサッタ、ニサッタ 上」より)
会社が倒産して派遣を転々とするがどの仕事も長続きしない・・・
甘くさい考えの先にギャンブルにのめり込む生活を送る。
読んでいて、目を覚ませ!と叫びたくなる北海道出身の主人公片貝耕平。
消費者金融に追い回されお金を工面するため住み込みの
新聞配達の仕事を始める。
私も住み込みの新聞配達いいな~と検討したことがあります。
とんでもなく根性のいる仕事と聞いて断念しましたが・・・。
読んでいてその過酷さにこっちまで溜息が!
そんな職場で女子登場。沖縄出身の竹田杏菜ちゃんです。
浅黒くおしりの大きい太めの女の子で、いつもおどおどし・・・
「杏菜」ではなく「どんな」と裏で嘲笑される存在。
なんでよりによって新聞配達を彼女はつづけているのだろう・・・?
疑問を残しつつ後半舞台は北海道へ。
耕平の何度もけつまづくが、成長していく姿に心洗われる小説です!
恒例(?)自分的何かしらヒットページ数はこんな感じです。
付箋の色は意味はとくにないです。
意味ありでわけてみてもいいですな。
ちなみに同じ講談社文庫から出ている乃南アサさんの「地のはてから 上下」と
繋がりがあります。
どっちから読んでもいいと思います。
私は「ニサッタ、ニサッタ 上下」→「地のはてから 上下」の順でした。
「地のはてから」の方は北海道開拓民のお話です。
アイヌ語で「地のはて」とよばれた地で懸命に生き抜くとわさんの姿に
力を分けてもらえた気のする読後。